発足の動機
若康会 会長 田代貴久恵
「お元気?」
叔父が亡くなって、一人になった叔母から、毎晩、私の所へ電話が掛かってくる。
(叔父が亡くなって、淋しいのだわ)と、私は、胸が痛くなった。
しばらくは毎日のように電話は続いた。それから段々遠のいてはいたが、やはり何も用事はないのに時々「お元気?」と電話が来る。
(叔母の淋しさは私では埋められない、叔母を幸せにするにはどうしたら良いか)と、私は毎日考えた。
(そうだ、異性のお茶のみ友達が出来れば、私と話しするよりは、叔母の心は充実するかもしれない)と勝手に考えた。
そして友人・知人に「知り合いで、一人になった人がいらっしゃったら、集まって食事会をしたり、いろいろ楽しい集いをしたいから、声をかけてみて下さいませんか」と話してみた。知り合いの人達は、「それは良いことですね」と、賛同して協力して下さった。
そして、横浜の福祉会館に、40才以上の中高年独身者の人達が、昭和57年11月、男女24人集まったのが最初であった。
これが中高年独身者の会・若康会の、28年前の、発足の動機である。
そして、若さと、健康を保つ事を目的として、若康会(わこうかい)と名付けた。
それから、毎年、関東一円から入会する人がどんどん増え続け、私は(こんなに一人ぼっちの人がいたのか)と驚いた。
私は、明るく談笑していらっしゃる紳士・淑女の方々を見ていて、(この人達は、家に帰れば、お独りなのだわ)と考えると涙が出そうになった。
最初は、食事会やクイズをしたり、散策をしたり、月1回の行事であったが、現在は、東京・横浜で月3回のパーティと、1ヶ月置きにバス旅行も行っている。また、忙しくて、パーティに出席出来ない人は、事務所へ来ていただいて、個人的なお見合いも行い、なるべく皆が幸せになれるよう出会いの場を設けている。
そして、28年を経過した今、楽しい出会いの中から数百組のカップルが誕生し、皆、幸せに暮らしていらっしゃる。
たとえば「一人でいた時は、海外旅行も、国内旅行も、何を見ても感動が沸かずただむなしいだけだった」という人が「二人で行くと、何もかも美しく見え、心が躍り、2倍も3倍も楽しい」と言われる。
又、その他、カップルになった人達の、その後を見ていると、人は、一人から二人になると、こんなに明るくなり、力が沸いてくるものか、と、驚くことばかりである。
やる気のなかった人が、二人になったとたん元気が出て家を改装してカフェをオープンしたり、又は、会社をやめて、かねて念願だったレストランの経営を始めたり、あるいは無気力だった人が、町内会の役員を進んで引き受けて活動を始めたり、その他、健康が増進されて、会社でも活発に活動するようになったり、また、いろいろな趣味を広げたり、と、意欲も沸き、生きる力が倍増されるのが見えて来る。
何もしなくても、二人いるだけで心が暖まり、体も健康になる。
異性がそばにいる、という事は、どんなに、人を元気にする素晴らしい力を秘めていることか。
異性は、生きる力の原動力である。
少々、意見が違っても良い。時々喧嘩しても良い。
一人より二人になり、助け合って生きて行く人生のパートナーが、側に居る方が、どんなにか幸せなことである。
私は、ただひたすら、すべての人が、良いパートナーを得て、お幸せになられる事を祈るのみである。